「技術の階層構造」 | thinkstep株式会社


「技術の階層構造」

カーナビゲーションのおかげで無駄な走行を省き、使用する燃料を節約することができる。ある意味ではカーナビは環境技術と考えられなくもない。技術的な面だけで考えると、実現する主要な技術は全地球測位システム(GPS)だろうか。そのGPSの核としてアインシュタインの相対性理論があると聞いたことがある。

 

エコカーの中で電動車両を実現する主要な技術はリチウムイオン電池と強力なモーター。電池の核はリチウム資源、すなわち希少金属(レアメタル)であり、モーターの核はネオジウムなどの希土類(レアアース)だろうと思う。環境技術の背後には関連が想像できない核となる理論、技術、材料が潜んでいるものだ。

 

希少金属(レアメタル)、希土類(レアアース)という資源はハイテク機器や次世代自動車に不可欠で、調達に支障が出れば産業競争力に影響を及ぼすといわれている。中国はレアメタル、レアアースの主要産出国であるが、資源確保に向けて昨年からレアメタルの輸出を段階的に減少させているという。将来の中国の産業競争力を考えてのことだと思う。日本は資源調達安定の一環として都市鉱山(大量に捨てられた家電や携帯電話など非鉄金属やレアメタルの含有率の高い廃棄物)の発掘も急ぐという。レアメタル、レアアースは料理におけるスパイスのようなもので、微量であるがゆえにそのリサイクルは課題も多いと聞く。日本の産業競争力を維持するために資源の確保が大変重要になってきた。日本のリサイクル技術に期待したい。

 

温暖化ガス削減目標を決めるのは政治的判断が伴うが、掲げた目標を実現するための材料と方策を準備していないと、目標は空手形となってしまう。環境技術を構成するにはそれを支える要素技術があり、その要素技術を支える理論や材料がある。階層構造的な知の連鎖のようなものだ。

 

LCAソフトGaBiもひとつのモジュールの中に下位のモジュールを組み込む。いわゆる階層構造だ。技術はすべてそんなものかも知れない。ひとつずつ積上げて最後に花を咲かせなさいとGaBiも言っているようだ。(C