「タイミングと場」 | thinkstep株式会社


「タイミングと場」

思いも寄らないニュースとはこんな風に飛び込んでくるのだろうか。あの南岸低気圧と呼ぶには本州沿岸から南に下がりすぎて、雪は降らなかったが天候が崩れた日曜日の朝だ。NHK「日曜美術館」を見た。“自ら学び 革新せよ ~日本画家たちの戦い~”

狩野芳崖は伝統的な狩野派出身であったが、洋画に負けない新しさを追求した。黒い線で輪郭を描く手法にこだわらず、傑作「悲母観音」では薄いピンク色の外郭戦を使う。小倉遊亀は歴史画や花鳥画と違う現代のテーマに挑戦している。「コーちゃんの休日」ではトップスター越路吹雪を日本画で描く。

番組後半15分はいつもの通り「アートシーン」で、各地の展覧会情報を紹介してくれるのが通例だ。ところが、伊東敏恵アナウンサーがカメラに向かって話しだした。「本日は美術の世界で大きなニュースが入ってきましたのでお伝えします。」

「江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿の代表作の一つで、戦後60年余りにわたって所在が分からなくなっていた、浮世絵の「深川の雪」が、日本の古美術商のもとで保管されていたことが、NHKの取材で明らかになりました。」

この「深川の雪」という作品は現在、米国の美術館が所蔵する「品川の月」「吉原の花」とともに「雪月花」の3部作になるものだという。縦約2メートル、横約3.5メートルの大作で、この絵、深川の料亭で遊女ら27人もの美女が雪見や、火鉢を囲んでいる様子を描いている。遊女はすらっと背が高く描かれていて、歌麿ワールドが展開されている。

このニュースはNHKの中でもこの番組で最初に流されたと思う。その後夕方や夜のニュースなどでも取り上げられたけれど、新鮮な美術界の大ニュースを美術愛好家にまず提供したのだ。遅れて、翌日の一般紙では「歌麿 幻の大作…肉筆画…」などと紹介された。

今回のニュースの扱いを見て、ニュースは発表するタイミングと場が大切だと学んだ。一番興味のある人に、まず知らせる。LCA論文や結果の発表も同じことかもしれない。会話も含めて情報のやり取りは全て同じことなのだ。タイミングと場…です。(A

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    そういう事があったのですね。NHKニュースや新聞で取り上げられる程の事件を、最初に報道番組ではない「日曜美術館」で取り上げるなんて、通常はあり得ないことかもしれませんね。

    まずは美術愛好家に提供する、うーん、粋な計らいですね。そもそも「日曜美術館」は生放送番組ではないと思いますが(間違っていたら済みません)、そこで速報で事件を伝えるなんて、視聴者の立場に立った素敵な対応ですね。

    私は「日曜美術館」の後のNHK将棋講座とNHK杯将棋選手権を欠かさず見ています。見落とさないようにブルーレイに自動録画しているのですが、「日曜美術館」の終盤のところが毎回録画されているので、どんな番組だろうかと少し気にはなっていました。

    そんな素敵なことがあったのなら、いっそ「日曜美術館」から録画して見るようにしましょうか。美術には疎いのですが、興味が持てるようになれば、楽しみが増えますしね。

    (追伸)
    将棋の方は一向に上達しません。それでも少しでも頭の体操になるよう続けていこうと思います。

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