「瓶」 | thinkstep株式会社


「瓶」

 オーストラリアのパースの北約180キロにあるウェッジ島の海岸で、島の女性が古い瓶に入った手紙を発見した。博物館の鑑定の結果132年前の瓶入り手紙であることが確認された。今まで古いとされた108年前の瓶入り手紙の記録を塗り替えたことになる。

 

 記事には拾われた黒っぽい薬瓶のような写真が添えられていた。瓶の表面には波や砂削られたのか、○○○SCHI○DAMと読めるような文字が浮かび上がっている。

 

 英語を習った女性のことを思い出した。彼女はニューイングランドの古くからの生活を大切にする人で、5個ほどの古い小瓶を大切に棚に飾り楽しんでいた。透明なガラスであっても、土に埋もれていたものなどもあり、ガラス成分が変質して薄い雲が表面にかかったようなものまであった。集めていたのは生活の中で普段使われていた瓶だ。油や薬、シロップなどが入っていたと思われるありきたりのモノだ。「昔のニューイングランドでは手作りの瓶が大切に使われ、瓶から時代の生活のぬくもりが感じられる」と話していた。手作りの味わいがある上に、瓶を透かして見る景色も歪んで見えるのが面白いと笑っていた。

 

 酒やワインは瓶で流通している物が多いと思うが、ビールは缶ビールが主流になっている。ビールのガラス瓶からアルミ缶への変遷はLCAの解析事例が影響しているかもしれない。LCAにより重い瓶の輸送のためにどれだけ輸送手段で燃料を使うかが分かってきた。瓶を洗って再利用するために水や洗剤を使うことも分かってきた。排水の処理も大切だということも、また、分かってきた。

 

 茶色のビール瓶を愛用しているビールファンも多い。飲み友達のなかにはビール瓶の栓をスパンと開けて、瓶がぶつかって立てるガチャガチャ音や、瓶からグラスに注ぐ風情をこよなく愛している人もいる。

 

 LCAでは「物の製造方法」や「システムの設計」の分野で環境負荷を少なくするために広く色々な産業で活用されているが、LCAで手をつけがたいのは「人の嗜好」に関する分野だ。

 

 ローズ・アン先生の穏やかな語り口を思い出しながら……LCAを考えている。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    そう言えば、日本酒は、まだ瓶が主流ですね。一部に缶や紙パックもありますが、日本酒と言えば、やはり瓶ですね。

    確かに、瓶のリサイクル時に使用する水や洗剤のことを考慮するとLCA的には、缶の方が優れているかもしれませんね。日本酒も徐々に缶に移行していくのでしょうか。

    ただ日本酒好きの私としましては、やはり瓶の方が高級感があり風情があって好きですが。でも環境の観点から、いずれが優れているのか、知りたいですね。

コメントをどうぞ