「異常音の検知」 | thinkstep株式会社


「異常音の検知」

 2種類のAI(人工知能)を使うと、工場設備の稼働時の故障の検出率が上がるという研究がNTT で行われている。一人よりは二人でチェックする方が色々気付きやすいという常識がAI利用の世界でも通用するということだ。

 

 4月末の日経新聞に紹介された内容は次のようなものだ。「AI を工場などの異常検知に使いたい。工場で正常に稼働している動作音を学習したAIはそれに外れた音の場合を異常と判断する。ところがわずかな異常音は正常な音と差が少なく、検出できないという課題があった。新技術では、正常な動作音を3時間学習したAIの検出率は8割だったが、もうひとつのAIに異常音を3秒間学習させるだけで9割まで向上した」

 

 2つ目のAIに異常音だけを学ばせることで、少ないデータでも検知精度を高められるのだ。私たちは仕事においても生活においても、多くの判断を行っている。私たちの判断もひょっとしてこんな仕組みになっているのではないかと思った。

 

 日本のプロ野球で成績を残した大谷選手は今シーズンから米国でプレーしている。その実力の片鱗を見せてくれるのでなんと頼もしい。大谷選手の場合、日本でのプロ野球で身につけた投手や、打者としての5年間の経験はいわば日本人として標準的なプロ野球の正常音を学習したようなものだ。そして、今年の1月から米国に渡り、3ヶ月間投手としてそして打者としてメージャーリーグプレイヤーとして異常音を学習してきた。

 

 正常音を十分に理解している選手が異常音を分析し、修正しているので、対応が機敏に行われているのだろうか。

 

 LCA(ライフサイクルアセスメント)では正常に稼動している工場やシステムを、つまり、正常音だけを頼りにして製品やシステムの社会に及ぼす環境負荷を見ている。しかし、いつも正常に工場が稼動するかわからない。システムが計画通り動くとは限らない。時と場合によっては正常音と異常音を比較しておくのもリスク回避の観点から必要かもしれない。異常音に対する感受性を研ぐことは勿論必要です。

 

 正常音と異常音。解析のキーワードになりそうに思います。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    なるほど、大谷選手の例は、とてもわかりやすいです。正常音と異常音、こうゆう考え方があるのですね。たいへん勉強になります。私も業務上あるいは生活上でこの考え方を使って改善・向上を図れるかもしれませんね。新たな視点を与えて頂いてありがとうございます。

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