「パワー半導体」 | thinkstep株式会社


「パワー半導体」

 山手線に新型車両E235系が増えたせいだろうか、ホームで見ていても、車両が軽快に動いているように感じる。特に空いている電車は動きが軽やかに見える……気がする。

 

 1月には発車から加速、減速そして停車までを自動制御できる専用装置「ATO」を載せた新型車両E235系による自動運転実験がお披露目された。山手線のような巨大路線で自動運転が実現するのだろうかといまだに半信半疑である。

 

 国鉄車両の中ではE235系はエリートのようである。エリートの証として新型パワー半導体が使用されている。パワー半導体の材料がシリコンではなく、SiC(炭化ケイ素)なのだ。この高級なパワー半導体が使われているのは今のところ、新幹線とE235系だけだ。

 

 小耳にはさんだ話を紹介したい。パワー半導体というのはスゴイ代物のようだ。

 

 先代の、電圧を制御するためにパワー半導体を組み込んだ山手線車両E231系の車両では、抵抗制御の103系(全体が緑色の車両)の47%の使用電力で走行できるようになっていた。そして、炭化ケイ素半導体を組み込んだE235系はさらに16%の省エネを実現している。

 

 モーター速度を制御するためには電圧を変えなければならない。従来、電圧を変えるために抵抗器に電気を流して熱として浪費させる効率の悪い方法が用いられてきたが、パワー半導体により電圧調整での電力の浪費がなくなった。そんなわけで、発電ブレーキからの電力を、給電線より効率よく高い電圧にすることができるため、電力はリサイクルされ送電線に戻されている。

 

 旧型にあった抵抗器が車両の床下からなくなった。今はパワー半導体のおかげで電圧コントロール系もすこぶる小型になって、車両の軽量化にもつながっている。

 

 こんなことを考えている。炭化ケイ素(SiC)半導体の素材の製造段階では驚くようなエネルギーを使っていると思われるが、炭化ケイ素半導体が使われている製品の環境への効果(省エネルギー)は群を抜いているようだ。LCAという目で見てみたい。

 

 その製品!きっと、環境への貢献度が高いのではないだろうか。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    山手線に新型車両が投入されたのですね。確か、朝のラッシュ時などは、1か2分間隔で運行されていましたかね。日本が世界に誇れるシステムですね。素晴らしい。

    1日の利用者数はものすごいので、新幹線と同レベルの技術の投入は当然かもしれませんね。省エネ技術の投入効果は絶大でしょうね。それだけにLCAでの環境評価は重要ですね。

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