「空を眺める」 | thinkstep株式会社


「空を眺める」

 山下公園内の海沿いの遊歩道でベンチに座って海の上の空をながめていた。広いけれどどこか眠そうな白+灰色+青色。風力発電の羽根が回っている。空のかなたを見ながら、懸案事項を思い浮かべ数年間の行動を描いてみる。最適なカンバスだった。

 

 空を眺めるのが好きで、お気に入りの一つは皇居天守閣跡だ。周りの都市建築をすっぽり覆う空。丸の内や霞が関を感じさせない都会の中の大きなスペースを楽しめる。心の洗濯場みたいなものだ。山下公園のベンチもお気に入りリストに加えておきたいと思う。

 

 空を見上げても特別な人間に変身するわけではない。けれど、自然と心のタガが緩んでくる。タガを緩めると“課題となっている樽”の部品数は意外に少なく、全体が見えてくる。心の澱をリセットしているようなものだ。

 

 国立競技場が建設途中だ。観客席は屋根に覆われているので、フィールドに立てば頭上に楕円形の空が見えるはずだ。自分にどのように迫って見えるのだろうか。いつかチャンスがあったら見てみたいと思っている。楕円形に縁どられた空はどんなインスピレーションを提供してくれるかも楽しみだ。

 

車の設計では、ドライバー席から前方が確認しやすいようにフロントピラーの場所やインストルメントパネルの上端の位置を決める。人間工学的なデザインとして必須だからだ。都市建築では、視界の確保や、建築物で遮られる空の形状などを意図的に設計することはないのだろうか。高層ビルや高架道路などを作るときに、空をきれいに切り残す設計手法があるといいと思う。……そして都会の中にも美しい空の形をちりばめてほしい。

 

 「世界保健機構では(WHO)では、「PM2.5」などの粒子状物質は認知症の発病リスクを高め、脳卒中や肺がん、心疾患による死亡数の3分の1の原因となっている」とFT東京支局長ロビン・ハーディング氏は“汚い空気は経済損失を招く”という記事の中で書いている。空というスペースに詰めこまれている“空気の質”にも注意しろと言っている。気候変動対策の他に、大気汚染をなくす努力を……もっとしないといけない。

 

想像力を広げる空というスペースと、汚染のない空気。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「想像力を広げる空というスペースと、汚染のない空気」いつにも増して素敵な締め括りですね。「青空」と「きれいな空気」大切にしたいですね。

    梅雨などに1週間位曇りや雨が続いた後の青空は格別ですね。またこれからの秋の青空は最高ですね。本当に大切にしたいと思います。

    「空をきれいに切り残す設計手法」素晴らしい視点ですね。
    いつまでも青空ときれいな空気に感動できる地球であって欲しいです。

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